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彼は竹竿を作る傍らグラスロッドの制作にも積極的に取り組んでいます。初期の頃は既存品のブランクを使い、ラスピークと同様にブランクを加工しながら理想のアクションに近づけていた様ですが、現在では自らデザインしたテーパーのブランクを工場にオーダーし、彼の完全オリジナルなブランクを使用しているそうです。​

最初に手に入れた彼のグラスロッドは古いスコットのブラウンブランクを使用した8′00”4番というスペックでした。長さの割には持ち重りのしないとても良い竿でしたが、他に欲しい竿ができてしまい、その資金調達としてオークションに出品してしまいました。今となっては売らなければよかったと後悔しています。

現在、僕の手元に残っているのは、ブラウンブランクを使用した7’5”3番というスペックで、初期の頃の作品になります。アクションは一言でいうとベロンベロン。ウィンストン・ストーカーの同スペックロッドと全く同じです。多分、同じブランクを使用しているのだと思います。これは二本を同時に振り比べた事があるので間違いありません。僕はどちらかと言えばスローなロッドが好きですが、このロッドは自分のイメージより少しスロー過ぎるので、少しでも心が乱れたりすると直ちにループに反映されてしまいます。なかなかシビアで扱いずらい面もありますけれど、心穏やかに目の前のライズと向き合える時は、気持ちの良いラインがスルスルと伸

​Mario Wojnicki

バンブーロッドとグラスロッドで評価されてれている数少ないビルダー。過去には日本のメーカーから彼の名を冠したロッドも発売されていたこともあるので、フライフィッシャーであれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

僕は、坂東さんの「アメリカの竹竿職人たち」という本で見たのが最初の出会いでした。Gジャンにハンチングスタイルの彼を見た時、あきらかに他のビルダーとは違う雰囲気で、ロッドビルダーというよりは、どこかハリウッドスターのような華やかさを感じ、それまで東海岸のビルダーに陶酔していたのですが、彼の影響で西海岸のビルダーにも目を向けるようになりました。

彼の作品を手にしたのが、今から15年程前222V3という5角のバンブーロッド。小ぶりなグリップとリールを装着するのが一苦労な小さめなアップロックなリールシート。(この小さめなアップロックシートにも秘密があり、リールを装着した際のバランスを考えてのものだそです)ブランクはまだらな焼きが特徴的で、アクションは難しいことを考えなくても勝手にラインを運んでくれる、実にオートマチック感のあるセミパラボリック。5角の影響がどれほどのものなのか、僕には感じることができませんでしたが、小渓流の釣り上がりなんてシチュエーションがしっくりくるタイプのロッドの様に感じました。​しかし、自分の求めていたアクションとは少し違っていたのと、友人からのオファーもあったので手放すことにしました。

 

 

 

 

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バンブーロッドと言えば、スローアクションでタイミングやストロークを考えながら振るというイメージがありましたが、彼の竿からはそんなノスタルジックなアクションは微塵も感じられず、中空構造でとても軽量な振り心地は、まさにグラファイト的で進化したバンブーロッドとはこういうモノなのだと肌で感じることができました。この一本が誘い水となり、ますます彼に興味が湧いていきました。

びてゆきます。その繊細なアクション、実はヤマメとの相性はなかなかのもので、フックセットしてしまえばバレることは少なく、ヤマメ好きな僕としてはとても頼もしく愛着のある一本です。​好きなロッドはフィールドに持ち出す回数も増え、自然と思い出も多くなるものですが、このロッドも沢山の思い出が詰まった一本です。

最近の彼の作品を数本見てきましたが、コスメが少し変わり僕的には少し残念な気もしますが、それでもやはり気になるビルダーのひとりに変わりありません。   

50歳を迎え、残りのFF人生も先が見えてきた今、最後に一本、竹竿でもオーダーしたいと考えています。  

                                  

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Oct./2019

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